長期的なソリューションへ向けた困難な課題をリードする英国
開発途上国のエネルギー利用は急増しているものの、米国と欧州諸国は依然としてエネルギーの最大消費国となっています。現在の傾向がこのまま続いた場合、将来的な供給を倍増させる必要があります(一方で二酸化炭素排出量は半減させる必要があります)。
さらに圧力をかけているのは欧州連合の排出削減目標であり、2020年までに二酸化炭素の生産量の20%削減と再生可能および持続可能な資源から産出されるエネルギーの20%増加を要求しています。
埋蔵化石燃料が枯渇する中、持続可能かつ再生可能なエネルギー資源の重要性はますます高まっているため、電力発電方法の変化をもたらす他のテクノロジーが重要な役割を果たすようになってきます。
化石燃料はエネルギーミックスの不可欠な部分であり続けますが、世界的なエネルギーの背景が変化するにつれ環境への影響を少なくする技術が環境目標を達成する上で非常に重要な役割を果たすと考えられます。
それでは、エネルギー生産に変化をもたらす方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
原子力、再生可能な発電、高効率の風力などの利用を拡大することで実質的に空気汚染物質や温室効果ガスがまったく排出されなくなる一方、バイオマスとその技術により、石炭、石油、ガスのよりクリーンな燃焼が可能になることで最大の違いがもたらされます。
2007年に英国政府は2020年までに26~32パーセント、2050年までに60パーセントの二酸化炭素排出削減の規制目標を提案することで、将来的なカーボン低下の取組みへの信号を送っています。 また、英国政府は低カーボン技術への支援とこれを達成するための適正な投資条件を確保する必要性をまとめた白書を作成しました。
ヨークシャー・ハンバー地域は英国でも温室効果ガス排出削減のために2016年までに25%を削減するという目標に合意している唯一の地域です。
再生可能資源の全国目標を達成する過程で、最大200億英ポンドまでの新規投資が注ぎ込まれることが予想されており、同地域には新たに2,000MWの発電能力が導入される見込みです。
BP、E.On、ドラックス・パワー社(Drax Power Ltd)、AMECなどと協力して、ヨークシャー・フォーワード社は炭素回収・貯留技術(CCS)の開発をリードしており、これにより、2050年までに年間15億トンの大気中への排出削減ができるものと予測しています。
同地域は、現在のところ英国全体のエネルギーの17%を供給しており、二酸化炭素が大気に逃げ出さないように海底深く埋めることができる北海ガス田に隣接するという理想的な条件にあります。ネットワークの計画はすでに設定されおり、開発コストは20年以上の期間で20億英ポンドが見込まれています。
ヨークシャー・ハンバー地域には、デュポンとアソシエイテッド・ブリティッシュ・フードとの提携の下、BPが建造中の次世代バイオ燃料生産のための2億英ポンド規模の施設もあります。ハルのサイトでは年間4億2千万リットルのバイオエタノールが生産される予定で、この新技術の将来的な開発を牽引するものとなります。このサイトでは食糧から年間2万リットルのバイオブタノールを生産するデモプラントも置かれる予定です。
2008年10月にはドラックス社が英国内に3基のバイオマス燃焼による発電所を建造すると発表しています。 ドラックス社では、3基の発電所が建設され稼働が開始すれば、英国の再利用電力の15%まで、全国の発電量の10%を供給することになると推定しています。
シェフィールド大学は廃棄物とバイオマスの熱転換の世界的な先進研究センターであり、バイオマス/廃棄物の燃焼、ガス化、熱分解への革新的な調査およびそれに関連する電気発電システムに関して世界的評価を得ています。
エネルギーを巡る環境が変化し、気候変動と闘うための法令による規制が進む中、ヨークシャー・ハンバー地域は実用に役立つ革新的解決策の開発をリードしています。